2009年8月8日土曜日

カスタムテーブル

テーブルの製作状況です。テーブル甲板の加工から入りました。材料はブビンガという樹種でアフリカで産出されたものです。赤み部分のうねるような縞模様が特徴です。木地は硬くて加工にかなり困難を極めます。また、大径木に成長するので、一枚もののテーブルやカウンターの材料としての使用が主で高級材として流通しています。 自分の持っている鉋や鑿の刃を立てると、すぐに刃こぼれなどしてなかなか手を焼かせます。

丸太からスライスする際に、鋸が食い込んだ跡がまだ残っています。材料が硬いので製材機の刃も思うように切れていかなかったようです。これを鉋で滑らかに削り修正します。

写真の黒い点が虫喰いの跡です。小さい1mmほどの穴が無数に空いています。
丸太の中心のほうは「赤身」、外側に近いほうは「白太」といいます。立木の時(伐採される前)白太部分は組織が形成されてまだ若く、多くの水分や栄養素を運ぶ役目をしている活動的な場所です。組織としては不安定で場合によっては朽ちたり、写真のように虫喰いがあったりします。
丸太の樹皮の部分を、「耳」といいますが、この耳をきれいに残して装飾的な面白さとして今回は見せますので、白太部分の虫喰い穴や、打ち傷を、同じ材料で丹念に埋め木をしていきます。
穴埋め完了です。細かい作業ですが、一つ一つきれいに処理しています。

続いて耳の処理です。ブビンガ材独特のコブがでています。これは立木の時に自重に耐え切れず、組織がつぶれてこのようになります。この表面の傷や汚れをきれいに処理していきます。

きれいに処理したら、カド部分を触って違和感の無いくらいに削ってまるめていきます。
甲板裏面の加工をします。上の部材は筋交いスポークを受ける材料です。天板裏に取り付けるための加工を施したところです。「木ねじ挽き独鈷吸い付き」(もくねじひきどっこすいつき)という、すっきりしない名前の加工ですが、汎用性のある加工でよく使います。取り外しが利くので今回のテーブルには有効でした。

上の写真のように叩き込んではめ込みます。すき間無く甲板に取り付くように木ねじの出具合を加減します。

甲板表面と裏面を丁寧に磨いて仕上がりです。今回は塗装屋さんにお渡ししてコーティングしてもらいます。
つづきまして脚部分の加工に入るのですが、まず、原寸図をおこして部材の諸所の角度や寸法、材料の木取りプランや加工方法などを検討していきます。ここまでできたらもう完成したようなものですが。
続きは次回です。

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1 件のコメント:

  1. 完成したようなもん?さすがGeorge Makepeaceさんですね。
    謙虚な心を忘れずに!

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