2010年4月24日土曜日

樺テーブル (材料硬すぎて歯が立ちません編)

また、こちらは雨が降るみたいです。この春は雨がとても多くて、なんか、十分に春を満喫できず、ちょっと、損をしたような気分です。みなさまは、いかがお過ごしでしょうか?

こちらも、TEDEの井上さんのデザインで製作させていただいています。デザインを決めていく上で、ずいぶんと、やり取りを重ねてきました。
とにかく、面白いもの、他にはないものを作りたいと思っていますので、妥協しないのは当たり前で、とにかく満足いくまで、プランニングしました。

デザインが一応決定し、製作に取り掛かります。天板はこんな感じ。真樺(マカバ)材です。赤みの美しさは、品があり、木目と色のコントラストは慈愛に満ちているような、やさしい印象があります。

そして、形を整えて、耳の部分を綺麗にプラッシングして、必要なところはテクスチャを刃物で付けます。

こんな仕上げも施しています。後は脚が出来てから、形を修正しようと思っています。

原寸図を書いています。複雑な構造は、原寸を書くのもコツがいります。今回のお仕事は、ワンオフの製品ですから、次つくるときの事は考えずに、一度だけつくるのに必要な線のみを書きます。
その見極めが、難しいです。経験の賜物だと思います。後は、出来上がった部材で、現物を合わせながら接合部などを調整します。

脚の部材は、この板から製材して賄います。木目の通った、いい材料です。

加工して出来上がった部材を、原寸図にあてがって、墨を出しています。真剣です。

自分では、一番だと思う加工方法で、製作しているつもりなのですが・・・でも実際のところ、まだまだ気付かないところで未熟なんでしょうね。

削っています。まだまだ、どんどん削っていきます。お楽しみに!

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2010年4月20日火曜日

マホガニーテーブル (おわりのはじまり編)

春もおわったのか、冬に逆戻りしたのか、よくわかりませんが・・・
つづきです。

脚部を加工して、組み立てていきます。確かな、接合部の加工と噛み合わせで、ヘビー級の天板に耐えうる強度が得られます。

部材同士が噛み合わさる部分の加工は、特に神経を使います。合わせた時の具合は、きつ過ぎず、ゆる過ぎず。経験がものをいう、感覚に頼るところです。

こんなことを言うと、職人さんみたいでいいですね。

納まりました。綺麗に加工できています。写真をアップしてご覧下さい。

脚の組上げが完了し、天板とのジョイントを確かめています。グラグラせずに、強度がでているか?スタイルは整っているか?ドキドキします。

大きすぎて、狭い工場では、カメラのフレームに納まりません。4mの天板長さ。

12人くらいは無理なく、このテーブルを囲んで、食事をとる事が出来るでしょう。

全体を写せるのは、唯一この角度。

この後、長野県に発送して、塗師のもとで漆仕上げにされます。漆とマホガニーのマッチングは、どんなものになるのでしょうか?楽しみです。

そして、思いがけず、配送用の梱包に付き合わされた中島さん。楽しそうに作業していますね。

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2010年4月15日木曜日

マホガニーテーブル (巨木は工場に、しばらく据わる編)

マホガニーのお仕事です。
いろんな事情があり、TEDEの井上さんにデザインのほうを手伝ってもらって、私が制作するという変則技でカスタマーの要望に応えております。

いつもそうですが、本当に、無から有を作り出す作業を生業とする、苦労と楽しさには、大変いつも、ふりまわされています。
でも、苦労のほうは、のどもと過ぎれば忘れます。が、楽しさのほうは残りますね。
そして、出来上がった家具も残りますね。そういうもんなんでしょうね。

アフリカンマホガニー材で脚部を作っています。天板はホンジュラス産マホガニーです。ホンジュラスマホガニーは流通規制がかかっていますので、入手困難です。
板材より、必要な部材を切り分けていきます。魚をさばいている様な、感じでしょうか・・。

仕上がりで、木目がどう出るのかも、 想像しないといけません。この材料の質感として、反りやねじれ等の加工後の癖は、無さそうです。

柱部分の、えぐり部分を加工しています。えぐり部分のアールに合わせた鉋を準備し、削っていきますと綺麗に仕上がります。写真の鉋は、平な台だったものを潰し、急遽、反り台に加工して、この仕事に間に合わせたものです。

部材が一通り、加工し終え、整いました。・・・仕口の大公開ですね。

そして、狭い作業場に、どっかりと鎮座されております、ホンジュラス産マホガニー様です。

デカイッす。


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2010年4月1日木曜日

ラウンドテーブルメンテナンス (綺麗過ぎるフィニッシュ編)

いま、結構、複雑なつくりの家具をつくっています。そのうち、ブログで紹介できればと思っていますが。作り方、加工方法や細かいディティールなどを考えていると、頭に血が上ってきて鼻血が出そうになったりしています。みなさま、乞うご期待です。

そして、メンテナンスの続き。

施してあった塗装を、丁寧に剥いだところです。サクラ材で制作されていました。左下は、新しく用意した鏡板です。デザインを変えて、寄せ張りにしてみました。

テーブルトップの裏面の板を貼るのに、最初のつくりと同様に、丸釘の頭を潰して打っています。これは、釘を打ってあるのを目立たなくするために、こんなやり方をします。
最近では、隠し釘や、フィニッシュネイルに取って代わられていますが、この方法は有るもので工夫して、用を足していた時代の感触がして、結構好きです。

そして、新たに塗装コーティングして、組み立て、完成です。いかがでしょうか?


ちょっと、綺麗にやりすぎたかも・・・手を入れる加減が難しいですね。

しかしまた、新しい姿で、持ち主様と共に時間を過ごし、穏やかな生活空間を彩ってくれることと思います。


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