2009年12月12日土曜日
ワインとチーズ
年の瀬の気ぜわしさが、なんとなく落ち着かない気分にさせますが・・・。
私事ですが、ささやかながらホームパーティーをよく催します。最近では、宮崎の「都野ワイン」を友人が手土産に持ってきてくれたので、ワインと黄金コンビのモッツァレラチーズを準備してつまみながら堪能させていただきました。赤ワインとロゼ。特にロゼが美味です。
その際、チーズをカットするためのステンレス製のナイフがチーズに突き刺さっているのを見たときに、チーズの柔らかさと、ナイフの硬質な印象が少々相性が悪いような気がしていました。
気になりつつ、仕事場にちょうどブナ材の切れっぱしが転がっていましたので、ちゃちゃっと作っちゃいました。
チーズのトレーとナイフのセットです。デザインは実にシンプルで気に入っています。早くためしに使ってみたいのですが、どなたかワインを提供していただけませんか?チーズはこちらで準備します・・・ダメ?
ホームページSUN SET LABORATORY
2009年11月17日火曜日
「いいちこ 日田全麹」のCMに使用されています
ばっちりとブログの更新とやらをサボっておりましたが。前回の記事の続きといいましょうか・・ご報告です。
CM撮影の小道具として発注いただきました長椅子は、「いいちこ」でみなさんご周知の三和酒類様の「日田全麹」 というお酒の銘柄のコマーシャルで使用されています。もうテレビでながれているそうですから、ご覧いただけましたら幸いです。
下記のリンク(iichiko DESIGN-CM Theater)にてご覧いただけます。
いいちこ日田全麹欄よりPLAYボタンをクリックです
iichiko DESIGN -CM Theater-
出演者の的場浩司さんの恍惚の表情から、次の商品カットの際に3秒ほどですが、長椅子が写っています。CM撮影のときは、的場さんを生で見て興奮していた私ですが、あの時の撮影がこんなにカッコイイ映像になるなんて、まさにミラクルです。
現場では総勢30人以上のクルーでその人の多さに圧倒されましたが、皆さんその道のプロフェッショナルでして、その方たちがチームとして一丸となって映像を作り上げていく様は、ホントに鳥肌ものでした。
特に敬愛していますスーパースター河北秀也先生の仕事っぷりには、いつも感動させていただいていますが、今回などは実際に立ち合わせていただき勉強させていただきました。
また、長椅子の撮影カットの際に、スタッフの皆様が自分の製作した長椅子を囲み、じっくりとライティングの調整などを納得のいくまでされていた時などは、なんか嬉しくて涙がでそうになったので、いろいろあったけど家具づくりをやっていて良かったなと素直に思える瞬間でした。
「日田全麹」は深みのあるおいしいお酒です。地域限定商品ですから、九州の人はラッキーです。ぜひともご試飲くださいませ。
ホームページSUN SET LABORATORY
2009年10月7日水曜日
CM撮影用の家具づくり 2
前回完成した長椅子は綺麗に作りすぎというクライアントの反応でしたので、ご希望のイメージに添う様な材料を大分県の日田まで探しに行ってまいりました。
椅子のイメージは茶店の長椅子で、長い間を屋外で使用されて風化したような木部の雰囲気を出す事です。ですからハナから風化したような外見の木材を調達しました。この状態から、普通は削って材料の曲がりやザラザラをとって、まっすぐでツルツルな材料に成型して加工に入るのですが、今回は表面の質感を生かすため、材料は曲がったままでなんとか形にしていきます。
木材が紫外線や風雨にさらされると、銀鱗の様な色艶が木材の表面に表れます。これが今回めざしている表面の仕上がり感です。それと、先方のご厚意でなんとCMの撮影当日に立ち会うことができそうです。現場でどんな風にCMが作られていくのか見られるので、とても楽しみです!!
ホームページSUN SET LABORATORY2009年10月2日金曜日
CM撮影用の家具づくり
ここのところオーダーの注文をこなしておりませんでしたが、あるメーカーさんからのご依頼をいただきまして、コマーシャル撮影に使用するための「畳座の長椅子」を制作させていただいております。何のCMかは、CMがTVで流れ始めてからのお楽しみです。
品物はすでに完成に至っているのですが、ある事情がございまして、まだ現在進行形のお仕事になってしまっています。いろいろあるんです。
懇意にさせていただいております高田製材所様からのご厚意で、特別に屋久杉を仕入れさせていただきました。計画的に植林されたものだと思います。木目がとにかく詰まっていて、とても美しいです。納得の超一級の杉材です。
ほぞ組で組み上げます。ひととおり加工を終えたら、部材の表面を“うづくり”といって、木目を強調して見せるためにブラッシングをします。写真を見ますと、木目の白い部分と赤い部分が年輪として見えているのがお分かりだと思いますが、白い部分が夏場に育った部分で、赤く見えているのが冬場に育った部分になり、成長速度の差が見た目と、硬さの違いになっています。杉材は特に顕著に表れますから、これにうづくり加工を施すと、柔らかい部分は削り取られて凹み、硬い部分が凸になりますので、表面の仕上げは手触りのいい、通好みの味のあるものになります。 うづくり加工を施していますので、写真では分かりにくいでしょうか・・・、白木の美しさが際立っております。今回はクライアントのご希望でダークな色調での納品となっています。この状態でも綺麗なので、もったいない気もしますが、この後に着色処理をします。
ホームページSUN SET LABORATORY
2009年9月29日火曜日
ものつくりの理想形
2009年9月25日金曜日
道具が手入れを待っている
私はといいますと、ちょっとお休みを利用して道具の手入れをしていました。
実は、その日に使う道具を、その日の早朝に手入れして、万全の状態で作業に取り掛かるのが本当なのですが、恥ずかしながら、その日にどの道具をたくさん使うかが、全く見当がつかないというスタイルになっていますので(いつか改善します)手入れが必要なやつは、時間のある時に一気にやっちゃいます。
とりあえず、ノミやカンナの類の刃を研ぎなおして鋭利にしたり、凹んだ部分を修正したりします。
完璧に調整しておけばいい仕事ができますし、信頼できる道具は職人としての自信にもなります。
砥ぎ場はどっしりと安定した場所が良いのですが、これだと砥いでいると流し台がガタガタいって、きちんと砥ぐにはなかなか大変です。真似しないほうがいいです。
しかしながら、ノコギリは古墳時代・カンナは室町時代・ノミは弥生時代からずっと使われ続けていて、なお且つ、未だに有用であるのは、そこに木の文化に対する必然性があるからなのですが・・・単純にすごいですよね。
2009年9月18日金曜日
ポールさん
大川の職人さん??を訪ねてみたいとのご希望だったらしく(大川に来て間もない自分でよかったのかな・・・)いろいろとお話させていただき、短い時間でしたが楽しい時間をすごさせていただきました。
かっこいいお名刺をいただいてます。右の方がユキさんです。私のたどたどしい日本語を、なめらかに英語に訳していただきました。大変だったでしょう。
ポールさんもデザインするときは、自らの手でモデルを作られるそうで、クラフトマン的なスキルを身につけておられますので、私の木工道具を興味深そうに手にとってご覧になっていました。言葉は通じませんが、ものつくりでお互いに通じ合うことができました。
また、アメリカでの家具作りの現状や、今後のインダストリアルデザインの方向性など、とても興味深い話であっという間に時間は過ぎていきました。
ポールさん今度はブルックリンでお会いできることを夢にみつつ。。。
ポールさんのホームページはこちら http://www.paulloebach.com/
2009年9月16日水曜日
9月の雨とカササギ
9月に入ってから、真夏の外の騒がしさが懐かしいほどに、朝も昼も夜も、ただ静かに時間が過ぎていっております。
あるポイントからの 有明海の写真です。潮が引くと干潟が遠くまで露わになります。その眼前に大きく広がる景色はまるで、すべての世界の時間が止まってしまい、活動しているのは自分一人だけになってしまったような錯覚を覚えさせます。
特殊な環境は特別な景色を作り、その地の人にはナチュラルに感じるものが、他の者にとっては感嘆するものになるのだと思います。
ホームページSUN SET LABORATORY
2009年8月30日日曜日
カスタムテーブル 3
突然ですが、わたくしロックンロールが好きなのですが。あるアーティストの音を聞いてまして気付きました。ロックンロールとは、やっぱり自由へのシャウトなのだなと。自由が何なのか漠然でも、明確でもそんなのは関係なく。とにかく現実という鎖を解く、自由への咆哮なのだなと。
心魂をグッと握られる様なそんな感触。
・・・・はい。
テーブル制作の続きです。完成姿をお披露目させていただきます。
甲板を塗装屋さんにお願いしていたものが仕上がってきました。これに加工した脚部分を固定します。
組み上げてからでないと実際の強度が判断できませんので、接合部分には祈るように「想定以上にカッチカチに固まれ!!」とはっぱをかけていきます。
接合完了です。美しいプロポーションで組みあがりました。強度も想定以上に出ています。
この状態で脚部分の塗装を施します。今回はクライアントのご希望でウレタン塗装で仕上げます。
新築されたお宅への搬入でした。無垢材をふんだんに建材としてご使用されたお部屋で、材種もさまざまにドラマティックな空間構成をされていますので、テーブルを搬入するまで建物の存在感に負けやしないかと、うっすら心配してましたが・・・とり越し苦労でした。いい感じで、ばっちりハマってました。
お客様も喜んでくださったのでとても嬉しく思います。また、このテーブルが日々の食卓を演出し、ご家族の歴史と共にそこに在ります事を喜ばしく思いますし、光栄にもその仕事を自分に依頼してくださり大変感謝しています。
ホームページSUN SET LABORATORY2009年8月24日月曜日
カスタムテーブル 2
テーブル製作のご報告です。
テーブル自体はもう、とっくに完成して納品まで済んでますので、「作るのおせ~な~」などと思われた方はあしからず・・・レポートが遅いだけです。
脚部の材料を製材していく「木取り」という作業です。大きな板状の材料から、木目や木質 を見ながらどの部分を、どの部材で使用するかを検討し、切り分けて部材を削りだしていきます。
今回使用する材料はチーク材です。東南アジアで産出され、独特の香りと油分があり、虫食いや腐れなどに強いし、硬い割には加工しやすく、収縮や狂いが少ないという、家具用材としては文句ない超優良材です。めったに手にかける機会はありません、貴重な経験です。
逐一、作業工程を説明していくとなが~くなりますし、専門用語の羅列も読んでいて、眠たくなる人が続出しそうなので、大体のところで端折っていきます。
上の写真は、部材の厚みをそろえてから、なんとなく脚の形を荒く切り出した上で、なんとなくの脚の形を、きっちりと図面どうりの脚の形状に成形しているところです。失敗は許されません・・・緊張です。
2009年8月8日土曜日
カスタムテーブル
丸太からスライスする際に、鋸が食い込んだ跡がまだ残っています。材料が硬いので製材機の刃も思うように切れていかなかったようです。これを鉋で滑らかに削り修正します。
2009年8月5日水曜日
夕暮れ工場づくりははかどらない
前の日に、一緒に飲み明かした流れで作業に付き合わされる羽目になったヤマダさんと、赤いマントならぬ赤いボタンシャツを着たスーパーマンも、オメーらへっぴり腰で見てらんね~よ的な感じで、またまた飛び入り参加して下さいました。
手よりも口がよく動くメンツでして話題もあれこれと。そして、スーパーマンお手製の即席ペッタン棒にて、打ったセメントをペタペタやっいますうちに、あっさりと日が暮れてしまいました。次に工場づくりやるときはちゃんとします。
話は変わって家具作りの近況です。
ダイニングテーブルのご注文をいただきましてテンションが上がりっぱなしですが、上の写真はプレゼン用の1/10スケールの実施模型です。テーブルのデザインは、クライアントの少しの要望とイメージを踏まえた上で、ほぼ全てをこちらにお任せいただけました。まだ模型の段階ですが、自分なりにかなり納得いくプランができたと思います。
天板材料はブビンガで(模型の下の材料が天板になるブビンガです)、脚の部材は、模型はウォルナットで作っていますが、実際に作るときはチークで制作することになっています。
明日から加工に入ります。なかなかこんな面白い仕事はありませんので、できる限り制作状況をブログで紹介したいと思います。請うご期待です。
ホームページSUN SET LABORATORY