2010年3月31日水曜日

ラウンドテーブルのメンテナンス(その時は軽く考えていた編)

今、正に春爛漫といった感じでしょうが、雨が多いですね。花粉も・・。いつの頃からか、春が過ごしにくくなっている気がします・・。

でも、やっぱり桜が満開だと、さぁ~!これからみたいな、やる気に近い感情が上ってくる気がしますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?

はてさて、ちょっとメンテナンスのお仕事。ご依頼主は、察するに明治期に建てたであろう邸宅にお住まいの方。住まいの方も、しばらく空き家になっていたものを、少しずつ手を入れながら、お住まいになられていました。
その一室の、応接間。ラウンドテーブルを取り囲むように、シングルのソファが四脚あります。壁と天井まで漆喰塗、そして木製の窓枠。窓からは、芽吹き始めた雑木が見えます。和洋折衷の、すごく落ち着く空間です。
建物と共にデザインされたラウンドテーブルは長く使われ、随分痛んでいます。そのテーブルのメンテナンスを依頼されました。

作りは本式のものです。家具づくりの、きちんとした知識をもった職人さんが、製作したものと思われます。全て手加工(電動工具はなかった頃なので)で制作されています。

なので、見せる部分と隠れる部分の、メリハリがきいています。要は、手を抜く部分がはっきりしているということですが(悪い意味ではありません)製品に必要以上に手を入れないで、”きちんと完成させる”というのが、当時は、いい職人のものづくりのスタイルだったりします。

ちょっと、こういうことを語りだすと私、止まらなくなってきますので、またの機会に。

塗装の剥がれや、シミも目立ちます。脚のぐらつきもかなりのものです。

天板と脚の取り付き部分。ホゾは、手鋸引きで加工されたらしく、鋸の食い込みが見られます。

天板の鏡板は取り替えます。縁枠も、接合部分の接着不良がおきています。これも、接合し直します。
十字に取り付けてある部材も、自然と折れ、バラバラになりました。これも取り替えます。

接合部分は、アレー型継ぎです。トラディショナルな接合方法で、通称“おしゃぶり”と呼んでいます。
なんだか、その当時の家具職人さんと、テーブルを介して、コミュニケートしているような感じがします。

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