2012年12月14日金曜日

バーズアイ・カーリーメイプルのキャビネット (めんどうくさいのが人生だとナカシマは云った編)

ボクはそんな人生ならイヤだなと思います。

 気がつけば(本当は気がついてはいたが、受け入れられなかっただけ・・・)あっという間に12月で、自分がそこそこの年齢になってきたせいか、ホントに今年は月日が経つのが早く感じます。一年間とはこんなペースだったかしら・・・したがって忘年会もする気がしません。

今年も結局実現しなかったが、来年こそはサンセットのダイニングチェアを作ろうと思う。
という事でお仕事です。


これは、木工旋盤といって木を固定したものを、回転させたところに刃物をあてがって、スルスルと削って丸棒などを製作する機械です。

身近なところではバットやコマなど作っているのを映像なんかで間にする機会があるかと思います。 安物ですが購入しました。ビギナー向けの割にはアタッチメントが豊富でDIYで遊ぶにはもってこいだと思います。木の小物作りに興味のある方にはおススメです。

家具つくりではツマミやスツールの脚を丸く加工するくらいは使えます。でも、プロの方にはこのくらいのスペックのマシンはお勧めできません。もっと頑丈で剛性の高いもの、信頼できるブランドの物を買い求めたほうが良いと思いました。



そして、写真では分かりにくいですが、メープルのキャビネットをオーダーいただきました。
引き出しオンリーの収納キャビネットで、前板はバーズアイメープルで、側の部分はカーリーメイプルの仕様です。


基礎になる土台部分。


キャビネット部分の加工。天板と側面の板の接合は留め継ぎとした。
カーリーメイプルの綺麗な杢がまんべんなく出ている。


組み立て。クランプの使い方、かけ方は本当に難しい。締め付け過ぎても駄目だし、緩すぎても駄目だ。

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2012年11月13日火曜日

ウェンジカウンターテーブル 

どうもここのところ、ぐずぐず天気ばかりでせっかくの秋の訪れがなかなか楽しめない様に思えて、なにはともあれ大変もったいなく感じています・・・。

そして最近、木材の加工機械を新調しました!
・・とはいえ中古機械なんですけど、スペックのよい良品です。

こちらが2年半の間、共に良く働いてくれた地元大川のかつみ製の自動カンナ。
逆目が出そうな材料は、ほぼ100%逆目という二枚刃式で、送りローラーやその他の調整は、ほぼ微調整が効かないという頑固もんでしたが・・。

クセがあって、いうこときかない所も、うまく使えば通常の仕事にはなんとか耐えれていたのですが、もう一段階上のレベルの仕事をしたい時には、なかなか頼りに出来ずに、他所に機械をお借りして済ませる様な事を続けていました。

そしてこれが、新調した機械。木工人あこがれの桑原製。
ほぼ逆目のでない、四枚刃で自動昇降着き。主軸のオイルバス式は滑らかなイイ音で四枚刃を振り回して、セクショナル式の送りローラーは、少々の厚み違いの部材をいっぺんに突っ込んでも、いいのよ いいのよ・・と優しく受け入れてくれます。

僕にとっては、ずっと憧れていて、そんな易々とは自分の手元に来るとは思っていなかった類のものですから、念願の代物を決して十分ではない条件を呑んで頂いて、届けてくれた機械屋さんに大変感謝しています。
それでもってこちらは、ウェンジのカウンター天板。
ウェンジはとにかく硬くて、裏面の反り止めの加工などは、刃物が研ぎたての切れる状態ではないと切削が難しかったです。
木肌は非常にきめ細かくテクスチャがついてあります。木目は全体に笹杢の様な感じで入っていて、木理も微妙に交錯しています。
細かい割れが後から来そうで少し心配な部分も感じたのですが、そのへんを大目にみられる人には、天然ダーク色の重厚な天板材として、かなりお勧めをしたい素材です。

それでもって、こちらは木工まつり用のベジタブルケースの副産物。
ご要望に応じて少し作りも変えています。杉の端材で製作できるものですから、けっこういろんな意味で魅力的に感じています。
このやり方で、うまいことやって、国産杉材シリーズを、さらに展開させたいと思っています。

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2012年11月2日金曜日

タモのダイニングテーブル


日暮れの頃には、夕日も綺麗に西の空に広がっています。
夕日の赤や、紅葉の赤、赤とんぼの赤に、柿の赤
秋の風景を演出している、鮮やかな赤色がとても印象的です。
赤色をみると食欲も増すそうです。

それではお仕事です。タモのダイニングテーブルでオーダーを頂きました。仕上げはダークブラウンの塗装だったのですが、塗装前のタモの素地の雰囲気がとても良かったので、そちらの姿で紹介します。

天板の仕様などは無垢材ですので、反り止め用の部材を入れる必要がありましたが、見えがかりは天板と脚という二つの要素のみで、シンプルにすっきり見せたいとのご要望でしたので、天板内部に反り止め用の部材を埋め込んで処理してあります。

サイズは2.4m×90cmと少し大きめ。

天板も脚材もエッジの効いたディティールになっています。天板サイドと脚のラインのつながりが、このテーブルの核心部分。

いつか、タモ材の素材感を最大限に生かした仕上げ方法を考えて、製品に反映させてみたいと思う。

最終的にはダーク塗装になりましたが、これも丁寧に工程を踏んで着色しています。

テーブル自体はシンプルな構成ではあるのですが、それだけに加工精度が高くなければ成立しないデザインだったと思います。完成に至るまでは大変緊張してしまいました。

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2012年10月15日月曜日

エンジュのベンチ (沖で語ろう編)

遅ればせながら、先日の大川木工まつりにお越し頂いた皆様、大変ありがとうございました。

私共のような場末の家具工場のブースでも、前年に続き今年もお立ち寄りいただけたお客様が多数いらっしゃって、感謝と共にとても驚いています。今回は準備不足のために品数が十分に揃わなかったので、次回やる時は出来る限りグレードアップしたものにしたいと思っています。

僕も初めてブースに立ってみたりしたのですが、いろいろ勉強になりました。同業者の方たちとも知り合いになれたし・・・。

それでは前々回からの引き続きのベンチの完成姿です。塗装前ですがご覧くださいませ。






エンジュの木は、どこか円熟した素材感がある。木目はそんなに立たないんだけど、しっかりと落ち着いた存在感を感じさせる。家具に使う機会はそうそうない種類なので、次にこの木を扱うのは何年先になるだろうかと、秋の始まりに少し想う。

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2012年10月6日土曜日

大川木工まつり2012 

お知らせがこのタイミングになってしまい申しわけないのですが、本日から木工まつりが3日間に渡って開催されます。小さなブースですが参加させて頂いています。 この時期にしか、生産していない多数の小物製品を販売しています。どうぞお立ち寄りくださいませ。以下は、出品している一部の製品です。

去年ご好評頂いたベジタブルケースを性懲りもなく製作しました。去年とはサイズも材料の雰囲気も変えています。ステンシルで印字している仕様もあります。27個準備してあります。一個¥1.000です。 <おかげさまで初日で完売しました>

3.5倍率のレンズをはめ込んだルーペです。材質はメープルとチェリーとウォルナットの三種類で、革ひも付きです。数量10個で各種¥4.000です。

30センチ正方形のお盆です。右からタモ材とナラ材とウォルナット材の三種類です。角の部分はパープルハート材のカンザシをいれてアクセントにしています。オイル塗装です。数量19枚で一枚¥4.000です。


キッズ用のテーブルとイスです。去年出品した余りを安くして売ります。ロゴも印字しました。テーブル天板のみパイン材オイル塗装で後はヒノキ材の無塗装です。テーブル一台¥5.000で椅子は¥3.000です。台数はテーブル4台と椅子は20脚程あります。

マグネット式のウッドペグです。メモホルダーとしてご使用ください。材質はナラとホワイトアッシュです。オイルワックス塗装をしています。数量20個で2個セットで¥1.000です。

その他多数絶賛出品中です。ご来場お待ちしています。

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2012年9月6日木曜日

エンジュのベンチ (せみの一生編)

少し暑くなくなった様な、そうでもない様な感じですが・・・
大川木工まつりに向けて、出品するアイテムを只今思案中です。けっこう面白そうなアイデアがいくつかありますので、作るのも楽しみですし、皆さまにお披露目させていただくのがまた楽しみに思っています。

それでは、お仕事です。ベンチの脚を作っていきます。

エンジュの板から、棒状の板に製材して組んでいきます。一本一本が交差して、面として構成する様なデザインですが・・・こんなんアリかってカンジですね。

ベンチの脚を作っているふうには誰も見えない・・・

ただ、ひたすらに部材を作って組み上げていく・・・

これぞ特注という感じ・・・

つなぎの部材を取り付け
ベンチの脚完成。

完成姿は次回です。

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2012年8月20日月曜日

エンジュのベンチ (薄明光線編)

ギンギンに暑い日々をお過ごしのみなさまへお知らせです。

来たる10月の6~8日(土・日・月曜日)に開催される「大川木工まつり」に出店させていただくことになりました。また今年もリーズナブルな価格で、気の利いたものを出品したいと思っています。

是非是非、大川へ脚を運んで頂いて、たくさんの家具や木工品が御座いますので楽しんでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

それではお仕事です。

エンジュのベンチを製作します。デザインは井上氏のデザインです。座面は一枚板で「座繰り」といって座った時に、お尻にフィットするような座面の形状に削り出していきます。

大まかに座繰りの部分を彫り終わったところです。板の側面の白太部分を座繰りの先端に来るようにレイアウトしています。

お尻の臀部にあたる部分をもっと凹ませたり、腿の下にあたる部分を滑らかに削ったり、この辺の微妙な部分は特殊なカンナで仕上げていきます。作り手のセンスが問われる作業です。

こういう曲面は慎重に丁寧に削らないと、削った面に影が出来たりして、滑らかに仕上がりません。気をつけないとへたくそな技術がすぐバレますね。

座繰りの縁回り部分を、小さい彫をいれてます。大きいなぐりの様な彫も粗野な感じでいいのですが、今回はもっと細かく彫を入れてますので、雰囲気的には瑞々しい感じといいますか、上品な感じに見えます。


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2012年7月24日火曜日

エンジュとメープルのコンソール (匠はささやく編)

酷暑ですが皆さん頑張りましょう。僕もがんばります・・・。

でも、ビールは最高にうまいですよね。

コンソール完成姿です。四本足に引き出しを組みこむのも、こんなフレームの組み方を出来るデザイナーはなかなかいないと、ひそかに思います。

バーズアイの前板からスコンと、一直線にヌケた取っ手のデザインが引き立っています。

エンジュの色も素直な木目もグッド。

引き出し内部はサペリ材を使用。サペリの赤とメープルの白の対比が美しい。





次回は同じエンジュの木でベンチを作ったのでそれを紹介します。

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2012年7月19日木曜日

エンジュとメープルのコンソール (メキシコでは巨匠編)

実際そうなんだそうです。

その井上さんデザインのお仕事です。いつも私らにお仕事を下さるクライアント様に本当に感謝しています。
エンジュの素直な良材が手に入りましたので、それを使用しての、コンソールとベンチ(ベンチはこの次に紹介します)を製作させていただくことになりました。

まずはコンソールの方からです。

天板と脚の構造部分はエンジュ材を使い、デッキ部分と引き出し部分はメープル材で製作する事にしました。

写真はデッキ部分のコーナーの継ぎ手です。包隠しほぞ継ぎにしています。最近仕事をする中で、メープル材が水分を含んだ時の材の膨張が他の材に比べて尋常ではないくらいに膨らんでしまう事にとても驚いています。この様な継ぎ手に接着剤を塗布する際でも、接着剤に含む水分で材自体が、局所的にひどく膨張してしまう事も頭に入れておいた方がいいようです。

各パーツをある程度加工し終えたところです。これから組み立て作業に入りますが、本組みの前に、いちおう試しに組んでみて、細かいディティールを再検討して必要があれば手を加えます。慎重です。

脚部の左右のクランピング。

デッキ部と天板反り止め桟と幕板とのからみ。

そして、脚部と本体の組み立て終わりさかさまの図。

デッキ部に引き出しを仕込み。

前板はバーズアイメイプル。鳥眼杢(バーズアイ)がびっしり入った板を使ってみました。これだけでも重厚感がぐっと増します。

完成姿は次回です。

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2012年7月5日木曜日

ここんとこのサムシング

家具作り以外の事も。



思いがけず昭和レトロな家具調TVをいただいたり。

通電はするが、さすがに地デジ化には対応できていない。



本体の後を開けて、中を覗いてみる(※大変危険ですやめときましょう)と、基盤のトランジスタは真空管で組んであったり。



ナカシマは自転車に材料を乗せて軽快に現場まで走ったり。



材木屋さんで使われずに置かれていた、刃渡り1.4mもある大鋸を長年の眠りから覚まさせたり。



明治の頃に作られたと聞いた総桐箪笥を、なんとかいい感じに再生できないかと思案したり。



誰かさんの車の大々的に凹ませた部分を、にわか板金で直してみたり・・・。



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